鞍 くら
鞍
くら
牛や馬などの背に載せて人や物を運搬する際に使う装具。木製のものや皮製のもの、木製の表面に金属板を取り付けたものなどがある。人が乗る部分を居木、その前後に取り付けた板状の部分を前輪・後輪と呼ぶ。実際に馬に装着する場合には、鞍の下に有機質の下鞍を敷いたり、左右の腹部に泥除けの障泥を取り付けることが多い。鞍に伴う金属製の装具は、中国・安陽孝民屯154号墓(4世紀)などから出土しており、当時から金属製の鞍橋が用いられていたことがわかる。日本列島では大阪府鞍塚古墳や、滋賀県新開1号墳などから鉄製の鞍橋が出土していて、遅くともこのころには馬装の一部としての鞍が列島にもたらされていた可能性が高い。鞍金具は、その材質から鉄製・金銅製・鉄地金銅製に大別されるが、中には漆塗りの木質部にわずかな金属装具を用いたものもある。
(宮代栄一)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
障泥
あおり
