承安宝貨 しょうあんほうか

承安宝貨
しょうあんほうか

中国貨幣史における最初の法定計数銀貨とする理解が有力な金代鋳造の貨幣。『金史』食貨志は、章宗完顔璟の承安2年(1197)のこととして「遂改鋳銀。名承安宝貨、一両至十両、分五等。毎両折銭二貫」と記すものの、長くその存在が確認されなかったが、1980年代に入り、黒龍江省阿城・貧県で実物が出土した。確認例は現在9例であるが、いずれも「壹両半」の重量銘を示し、正しく金代の衡制にしたがい60g前後を量る。また、その形態は銀錠同様の束腰形を呈するが、全長5㎝弱である。その出現については、一般に金代末期の銅銭の極端な不足、交鈔の乱発などによる急激な通貨膨張に関係づけられている。

(高橋学而)

以上、転載

 

 

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