鑷子 ちょうし
鑷子
ちょうし
毛抜き。金属製以外のものもあるが、考古資料では不明である。金属棒を折り曲げてピンセット状の扁平な脚部を持つ小型の金属製品で鉄・銅製が一般的であるが、銀製品もある。中国では遅くとも漢代に出現し、日本では弥生時代中期の甕棺出土品を最古例とする。4世紀以降の古墳に副葬されたものが多い。古墳時代のものは長さが4〜18㎝と長短があるが、7〜13㎝程度のものが主流である。なお、韓国の三国時代・加耶の大成洞・礼安里古墳群に類品があるほか、新羅では帯金具垂飾の最下部に吊された金銅製もある。毛抜き以外の用途として、馬具の一部、刀子・大刀の吊具、鉄鉗と見る考えも提出されている。
(柳沢一男)
以上、転載
