鉄刃銅鉞 てつじんどうえつ
鉄刃銅鉞
てつじんどうえつ
青銅製鉞の刃部に鉄が使用されているもので、中国・河北省藁城県台西村や、北京市劉河村遺跡から出土している。いずれも商代の埋葬施設である。鉄刃は分析の結果、隕鉄が使用されたことが明らかになっている。製作技法は、まず隕鉄を加熱鍛打により整形する。次に鉞の鋳型に整形した刃部を埋め込み、1㎝ほど鉄刃を挟みこむように青銅を流し込む。このとき生じる両者の膨張率の差が鉄刃をしっかりと固定する。台西村の鉄刃は、炭素の含有量が0.35%と低く、利器として使用に耐えるものではないことから、宝器的な存在であると考えられている。
(関清)
以上、転載
