金坪遺跡 きんへいいせき
金坪遺跡
きんへいいせき
Geumpyeong-yujeok
(1)韓国・全羅南道順天市松光面新坪里金平邑に所在する。住岩面と松光面の境界付近に位置し、住岩ダム建設に伴う調査によって発見された。遺物は宝城江の河岸段丘(水面から8〜15m)を覆っている粘土層の最上層(B層)から発見された。1987年、崇実大学校博物館・ソウル大学校考古美術史学科によって調査が実施され、207点の後期旧石器時代の遺物が出土した。石材は泥岩と石英であるが、石英は剥片・チップがほとんどで、石核と剥片石器には泥岩が主に使用されている。石器としては、掻器・彫器・尖頭器・使用痕のある剥片・細石刃などがある。石器の特徴から13000〜15000年BPと推定されている。
(小畑弘己)
(2)韓国・全羅南道宝城郡尺嶺里金坪に所在する無文土器(青銅器)〜原三国(馬韓)時代の集落遺跡。1992年に全南大学校博物館によって、無文土器時代の住居跡1軒、原三国時代の貝塚と住居跡2軒などが発掘調査された。貝塚は11層からなり、硬質無文土器や叩き目文土器などの土器類、鉄斧や鉄鏃などの鉄器類、刀子把や鏃などの骨角器、紡錘車・石器類・自然遺物などが出土した。原三国時代の住居跡は平面円形を呈し、硬質無文土器などが出土した。貝塚の中心年代についてはAD3世紀と推定されている。
(高久健二)
以上、転載
