雲城里遺跡 うんじょうりいせき

雲城里遺跡
うんじょうりいせき
Unseong-ri-yujeok

北朝鮮・黄海南道殷栗郡雲城里カマルリ村にあり、村は山と海に取り囲まれたクルン平野地帯の真ん中にある遺跡。一帯には櫛目文土器(新石器)・無文土器(青銅器)時代などの遺跡や土城、塼積み井戸、百数十基の各種墳墓などが分布する。土城は村の東傾斜面の中腹に、井戸は村の西の真ん中、墳墓は村と土城の南の丘陵地にある。1954年に、社会科学院考古学研究所が第1次調査で細形銅剣と細形銅矛、馬車と車輿具などを副葬した土壙墓1基(雲城里土壙墓)を発掘し、その後7次以上にわたって継続した。墳墓は土壙墓・木槨墓・塼墓・甕棺墓・瓦棺墓などからなり、遺物には各種土器・青銅器・鉄器その他がある。ただし、ここにいう木槨墓は構造によって2分され、また各報告文でいう土壙墓には、木棺墓や木槨墓を指すものがある。植民地時代に日本人が発掘した大墳丘の塼室墓2基は、現在その跡しかない。土城内の発掘では建物跡が見つかり、風変わりな蕨手文円瓦当、「千秋万歳」銘瓦当が出土したほか、遺物は周辺に分布する墳墓群のものに近い。

永島暉臣慎)

以上、転載