永登洞遺跡 えいとうどういせき

永登洞遺跡
えいとうどういせき
Yeongdeung-dong-yujeok

韓国・全羅北道益山市永登洞の低丘陵上に所在する複合遺跡。1995・96年に円光大学校馬韓・百済文化研究所によって、無文土器(青銅器)時代の住居跡23軒と、原三国(馬韓)時代の方形周溝墓4基が発掘調査されている。1号方形周溝墓は、一辺15m前後の方形周溝墓の中央に埋葬主体部を持つものであり、周溝の一辺の中央部が陸橋となっている。主体部は細長方形の土壙墓(4×1m)であり、内部から鍛造鉄斧と鉄刀子が出土した。また、周溝内からは大型甕棺片と、灰青色硬質土器片が出土している。大型甕棺片は3号周溝墓の周溝内からも出土しており、埋葬主体部は土壙墓以外に甕棺墓も存在したものと推定されている。造営年代については、周溝内から出土した大型甕棺の形態から、AD2〜3世紀と推定されている。

(高久健二)

以上、転載