斗井里遺跡 とうせいりいせき

斗井里遺跡
とうせいりいせき
Dujeong-ri-yujeok

韓国・忠清南道天安市斗井洞の標高141mの魯泰山から東へ延びて下る低い丘陵上にある。2回にわたって発掘調査された。1963年の調査では四隅が丸い長方形の住居跡と溝が検出された。溝の周辺から一段柄式磨製石剣・柱状抉入石斧・有茎式石鏃・平底無文土器など無文土器(青銅器)時代前期に属するものが出土した。98年度の調査域は東側のⅠ地域と西側のⅡ地域に区分される。Ⅰ地域では三国時代百済の住居跡4軒、土壙墓5基、横穴式石室墳2基、甕棺墓1基、貯蔵穴5基と、李朝(朝鮮)時代の竪穴遺構が調査された。Ⅱ地域では百済時代の封土墳1基、土壙墓17基、甕棺墓9基と李朝時代の土壙墓などが調査された。この中で注目されるのは封土墳である。東西14m、南北18mの楕円形で、残高1m程度の低墳丘墓の中に土壙墓2基、甕棺墓4基、石槨墓1基、土葬と推定される遺構2基がある。2号甕棺墓は深鉢形合口式であり、石槨墓は自然石を利用して壁を1〜2段積み上げている。未盗掘でありながら、土器1点と鉄刀子1点しか出土しなかった。造営時期は、封土墳は3世紀後半に、その他の百済の遺跡は3〜4世紀前半と推測される。

(李タウン)

以上、転載

 

*mapは天安市斗井洞