石巌里9号墳 せきがんり9ごうふん
石巌里9号墳
せきがんり9ごうふん
Sokam-ri-9(gu)ho-bun
北朝鮮・ピョンヤン特別市楽浪区域土城洞(旧・平安南道大同郡大同江面石巌里)に所在する、楽浪郡時代の大型木槨墳。「大同江面9号墳」ともいう。1916年(大正5)に朝鮮総督府古蹟調査委員会によって発掘調査された。墳丘は一辺約30m、高さ約5.5mの方台形を呈し、墳丘下に竪穴式方形木槨(一辺約320㎝)を構築する。墓壙と木槨の間には玉石および木炭をつめる。木槨内の東南側に一棺が埋葬され、内部に葬玉類・金製帯金具・銀製指輪・鉄製長剣・刀子・玉印が副葬されていることから、被葬者は男性と推定される。木棺東側からも玉類が出土していたことから、ここにも木棺が埋葬されていた可能性が高く、夫婦合葬墓と考えられる。木棺北側には主に土器や青銅器などの容器類が置かれ、西側には武器類・車馬具・漆器類・銅鏡などが副葬されていた。このうち漆器には、「居攝三年(AD8)」(金銅釦夾紵盤)の銘文があることから、築造時期はAD1世紀と考えられる。また、西棺内出土の「永壽康寧」銘亀紐玉印などから、被葬者は楽浪郡の高官とその夫人と推定される。
(高久健二)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
居攝
きょせつ
釦
コウ、ぼたん
夾
キョウ、コウ、さしはさ(む)、はさ(む)
紵
チョ、あさぬの、いちび
