朝島遺跡 ちょうとういせき

朝島遺跡
ちょうとういせき
Jodo-yujeok

韓国・釜山広域市影島区東三洞下里の朝島(標高141m)に所在する、無文土器(青銅器)〜三国時代初期の集落遺跡(貝塚)。1976年に国立中央博物館によって、朝島西側の貝塚が発掘調査された。層位は上からⅠ〜Ⅲ層に分けられるが、Ⅲ層では粘土帯土器が主体を占め、末期には縄蓆文叩き目文土器が見られる。Ⅱ層では叩き目文土器(縄蓆文・格子目文)が増加し、鉄器が出土する。Ⅰ層では轆轤を使用した無文赤褐色軟質土器と、灰青色硬質土器が増加する。住居跡は検出されていないが、炉跡が2基確認されている。Ⅱ層形成後に仰臥伸展葬された人骨が出土しており、碧玉製管玉・水晶製算盤玉・鉄剣・鉄鏃・骨鏃が副葬されていた。その他の出土遺物としては、磨製石剣・磨製石鏃・砥石などの石器、骨鏃・刀子柄などの骨角器、鉄鎌・鉄刀子・鉄釣針などの鉄器、土製魚網錘などがある。また弥生土器・土師器・土師器系土器も出土している。Ⅲ層から無文土器とともに採取された木炭に対するC14年代は2200±70BPである。

(高久健二)

以上、転載