朝陽洞遺跡 ちょうようどういせき

朝陽洞遺跡
ちょうようどういせき
Joyang-dong-yujeok

韓国・慶尚北道慶州市朝陽洞の低丘陵上に位置する原三国(辰韓)〜三国時代の墳墓群。1979〜81年に国立慶州博物館によって木棺墓26基、木槨墓13基、甕棺墓20基、石槨墓8基が発掘調査された。このうち最も古式の5号墳は、細長方形の墓壙(200×75㎝)内に木棺(140×50㎝)を埋葬したものであり、木棺内に多紐無文鏡・青銅製把頭飾付鉄短剣・漆塗木製丸棒が、木棺と墓壙の間に黒色磨研長頸壺・無文土器の甕・青銅馬鐸・鉄戈・鋳造鉄斧などが副葬されていた。造営年代はBC1世紀前半代と推定され、朝陽洞墳墓群の上限を示している。また、38号墳も隅丸長方形の墓壙をもつ木棺墓であるが、木棺内から青銅製把頭飾付鉄短剣とともに、内行花文日光鏡・重圏文日光鏡・昭明鏡・四乳鏡などの前漢鏡が出土した。いずれもBC1世紀後半代の前漢鏡であり、当時の楽浪郡と辰韓との交渉を示す遺物である。

(高久健二)

以上、転載

 

*mapは慶州市朝陽洞