南井里119号墳 なんせいり119ごうふん
南井里119号墳
なんせいり119ごうふん
Namjeong-ri-119(baeksipgu)ho-bun
北朝鮮・ピョンヤン特別市楽浪区域南寺里(旧・平安南道大同郡南串面南井里)の丘陵上に所在する墳墓。1932年(昭和7)に朝鮮古蹟研究会によって発掘調査された。墳丘は一辺8m、高さ約3mの方台形を呈し、主体部は両袖式横穴式石室である。玄室は平面長方形(約290×220㎝)を呈し、側壁は緩やかな胴張をもつ。玄室床面には板石を敷き、壁面には漆喰が塗られていた。玄室北壁やや西側に羨道がつき、さらに墓道が続く。羨道上部には2枚の楣石を架構し、羨門部は板石で閉塞していた。玄室東南側に木棺1個が埋葬されており、副葬品としては耳杯・盤・案などの漆器片、土器片・五銖銭・大泉五十などが出土した。築造時期はAD4世紀と推定され、楽浪郡末期〜滅亡後にかけての墳墓と考えられる。この時期の横穴式石室墳としては、他に貞柏里159号墳(1933年調査)や平安南道順川市南玉里2号墳(1954年調査)などがある。
(高久健二)
以上、転載
