夫租薉君墓 ふそわいくんぼ

夫租薉君墓
そわいくんぼ
Bujoyegun-myo

1958年に、北朝鮮ピョンヤン特別市楽浪区域貞栢洞で工事中に発見された楽浪郡時代の木槨墳。「貞栢洞1号墳」ともいう。墳丘はすでに削平されていたが、地下に木槨の痕跡が確認された。木槨は床面の角材のみが残存していたが、その形態から長方形単葬木槨墓と推定される。木棺が置かれていたと推定される木槨中央部から印章・細形銅剣・細形銅矛・弩機・鉄短剣・鉄刀・鉄剣が、副槨と推定される木槨北側より植木鉢形土器や広口短頸壺などの土器類、馬面・鉄製二連式轡・小銅鐸・車軸頭・ピストル形銅器・笠頭円筒形銅器・笠頭ラッパ形銅器・蓋弓帽などの車馬具、鉄斧・札甲が出土した。このうち印章は「夫租薉君」獣紐銀印であり、被葬者は楽浪郡夫租県の土着豪族である薉族の首長と考えられる。築造時期はBC1世紀と推定される。

（高久健二）

以上、転載