楽民洞貝塚 らくみんどうかいづか
楽民洞貝塚
らくみんどうかいづか
Nakmin-dong-paechong
韓国・釜山広域市東莱区楽民洞・寿安洞の低丘陵西南側斜面に形成された、原三国(三韓)〜三国時代の貝塚を伴う集落遺跡。現在は海岸線から、かなり内陸に入り込んでいるが、貝塚は海水性貝で構成されていることから、遺跡形成時は海岸線に近かったものと推定される。1930年に鉄道敷設に伴い貝層や甕漢墓が発見され、遺跡の存在が明らかとなった。67〜70年に国立中央博物館により、貝塚が発掘調査され、小型の製鉄炉跡が検出された。93年には釜山市立博物館によっても発掘調査が行われている。製鉄炉跡は半地下式構造で、周囲にも小型炉の痕跡が見られ、鉄滓や焼土が堆積した状況が確認された。貝塚の出土遺物としては、赤褐色軟質土器・灰色系軟質土器・灰青色硬質土器などの土器類、鹿角製刀子把・骨鏃・骨針・骨錘・卜骨などの骨角器、鉄刀子などの鉄器、土製紡錘車・砥石などがある。土器の中には土師器および土師器系土器が見られ、釜山市立博物館の調査区域では、山陰系土師器の二重口縁壺が出土している。
(高久健二)
以上、転載
*mapは東莱区楽民洞
