老圃洞遺跡 ろうほどういせき

老圃洞遺跡
ろうほどういせき
Nopo-dong-yujeok

韓国・釜山広域市金井区老圃洞の丘陵斜面上に所在する。1984・85年に、釜山市立博物館と釜山大学校によって行われた発掘調査で、無文土器(青銅器)時代の住居跡と原三国(三韓)時代の墳墓群が確認されたが、後者が主体を占める。原三国時代の墳墓としては木槨墳・土壙墓45基、甕棺墓6基が調査されたが、主軸方向はいずれも等高線と平行で東西方向である。木槨墳のうち最も大型の31号墳は、530×240㎝の隅丸長方形の墓壙内に415×140〜205㎝の木槨を設置している。副葬品は一部盗掘を受けていたが、被葬者の位置付近から水晶製切小玉2点、琥珀製切小玉1点、環頭大刀1本、鉄刀子1点、被葬者の足部側から有蓋台付直口壺や炉形土器などの土器類、木槨内の南長壁側から鉄矛2本と鍛造鉄斧1点、北長壁側から鉄鏃112本と鉄刀子1点、木槨中央付近から漆器(楯)、木槨と墓壙の間から鉄鎌1点が出土した。これらの墳墓はおおむねAD3世紀代に造営されたものと推定される。

(高久健二)

以上、転載

 

 

*mapは金井区老圃洞