山水里窯跡群 さんすいりかまあとぐん

山水里窯跡群
さんすいりかまあとぐん
Sansu-ri-yojigun

韓国・忠清北道鎮川郡徳山面山水里に所在する三国時代百済の土器窯跡群。韓南大学校博物館が、1987年に窯跡9基と、竪穴住居跡2軒を調査した。南北に伸びる低丘陵の西斜面の上方から竪穴住居跡、小型窯(残存長2.4〜3.6m)、大型窯(残存長6.8〜7.9m)の順に分布する。燃焼部は地表面から垂直に掘り込まれているのが特徴的で、焼成部の間にも段差が残存する場合が多く、半地下式と地下式がある。竪穴住居跡は、内部から粘土やそれに混ぜる小石の集積が確認され、報告者は作業場であったと想定する。出土土器には長卵形短頸壺・鉢・深鉢形土器といった三龍里窯跡群出土土器と共通するもの以外に、蓋坏のような新たな器種があり、三龍里窯跡群より後行する窯跡群と推定される。類似する土器は周辺の遺跡からも出土しており、原三国(馬韓)時代から三国時代百済への移行期における土器の生産・流通を考える上での重要な資料を提供している。

(吉井秀夫)

以上、転載

 

 

 

*mapは鎮川郡