新龍里窯跡 しんりゅうりかまあと

新龍里窯跡
しんりゅうりかまあと
Sinyong-ri-yoji

韓国・全羅北道益山市金馬面新龍里に所在する6世紀の三国時代百済の土器窯跡。1987年に全州市立博物館が2基の窯跡を調査した。1号窯は長8.5mの半地下式窯である。焚口の幅1.6m、燃焼部長は約2.0mで、焼成部は中央部が大きく広がり、最大幅は3.0mを測る。床面の角度は約20°である。2号窯は長11.0mの半地下式である。焚口幅1.8m、焼成部長5.5mで、焼成部は中央部が大きく広がり、最大幅は3.2mを測る。焼成部の床面の傾斜は、焚口側では約10°だが、内部では20°を測る。床面では補修による層が13層確認され、燃焼部との間に1m近い段差が生じていた。出土遺物には短頸壺・直口壺・蓋坏・三足坏・高坏などがあり、熊津期百済の特徴を示すものが多い。百済土器を生産した窯跡の数少ない調査例の一つである。

(吉井秀夫)

以上、転載

 

 

*mapは益山市新龍里