二聖山城 にせいさんじょう

二聖山城
にせいさんじょう
Iseong-sanseong

韓国・京畿道河南市春宮洞などに所在する。標高209.8mの二聖山に築かれた、三国時代新羅から統一新羅時代にかけて営まれた山城。1986〜2001年に漢陽大学校博物館によって発掘調査が行われた。城周約1925mの包谷式山城で、城壁は加工した石材を積み上げた石築である。何度か改修がなされている。築城時期に関しては、 以前は三国時代百済であるといわれていたが、現在では553年の新羅真興王のソウル地域進出以後のものと考えられている。門は南門・東門などが確認され、城内の施設としては長方形建物・多角形建物・貯水施設・貯蔵穴・石槨墓・甕棺墓などが検出されている。遺物は、土馬・鉄馬や滑石製品などの祭祀遺物、「戊辰年」「辛卯」などの紀年銘を含む木簡、腰鼓・容器・櫛・物差しなどの木製品、斧・鏃などの鉄器類、砥石などの石製品、土器類、瓦類、ウシなどの動物骨などが出土している。基本的に6世紀後半から統一新羅時代の新羅系の遺物であるが、高句麗系のものも一部含まれている。

亀田修一)

以上、転載