富長里遺跡 ふちょうりいせき

富長里遺跡
ふちょうりいせき
Bujang-ri-yujeok

韓国・忠清南道瑞山市音岩面富長里にある無文土器(青銅器)時代・三国時代百済・李朝(朝鮮)時代の複合遺跡。住宅新築工事に伴って、2005〜06年に忠清南道歴史文化院が発掘調査した。遺跡は内陸部にあって、標高40m付近の低丘陵の平坦部から緩傾斜面に立地する。調査の結果、無文土器時代前期と中期の松菊里型竪穴住居跡など27軒と竪穴遺構6基や無文土器・磨製石器(石包丁・剣・鏃・斧)などの遺物を出土した。百済時代では、竪穴住居跡39軒・墳丘墓13基・竪穴遺構16基・石棺墓1基が調査された。そのうち、5号墳丘墓は22.7m×21.7mのほぼ方形を呈し、高さ90㎝の墳丘規模に、幅1.8〜3.5mの周溝を持つが、ほぼ中央に設けられた木槨墓の中から金銅製冠帽・耳飾・勾玉・小玉などの装身具や環頭大刀、鉄矛、鉄製鐎斗、丸底壺など各種土器を出土して注目される。李朝時代では、作り付け竃を伴う竪穴住居跡7軒、灰槨墓・土壙墓など83基のほか、竪穴遺構4基が検出された。

(西谷正)

以上、転載

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ

鐎斗
ショウト

 

*mapは音岩面富長里