熊浦里古墳群 ゆうほりこふんぐん

熊浦里古墳群
ゆうほりこふんぐん
Ungpo-ri-gobungun

韓国・全羅北道益山市熊浦面熊浦里に所在する。熊浦面の中心より東に2km離れた標高240mの咸羅山の西側に広がる丘陵上に立地する。錦江下流の右岸には、このほかにも沃溝将相里古墳群や、益山笠店里古墳群などが隣接する。1986・92・93年の3度にわたり発掘調査された。横穴式石室とともにこの地域では初めて竪穴式石槨と横穴式石槨が見つかり、これら多様な墓制間の相互関係の解釈をめぐって学界の注目を浴びた。竪穴式石槨の中で比較的に規模の大きい92-7号墳は、長さ330cm、幅117cmの規模を有する。横口式石槨である92-9号墳の石槨の規模は長さ212cm、幅86cmである。特に横穴式石室である92-10号墳の場合は、長さ280cm、幅106cmの規模に比べて、長さ42cm、幅62cmの短い羨道を持つ例として注目される。熊浦里古墳群では、竪穴式石槨の出土品である三足器・有蓋直口台付壺・高坏などや、横口式石槨と横穴式石室より出土した蓋坏の編年を基準に、5世紀中ごろまで竪穴式石槨の築造が主流をなしたが、5世紀中ごろ以後、横口式石槨・横穴式石室の築造が目立つようになる傾向が指摘される。

(禹在柄)

以上、転載

 

*mapは益山市熊浦面熊浦里