三嘉古墳群 さんかこふんぐん

三嘉古墳群
さんかこふんぐん
Samga-gobungun

韓国・慶尚南道陜川郡三嘉面良田里山76番地一帯に所在する三国時代加耶の古墳群。古墳群は標高897mの●(山に者)崛山西側斜面から連なる丘陵頂上部とその麓に位置しており、大小の墳丘を有するものが数百基に達する。大部分は日帝時代(戦前)以降に盗掘され、現在まで現状を保つものはわずかである。1981年に古墳群周囲の道路拡張工事に伴い、東亜大学校博物館により部分的に発掘調査が実施された。全部で9基が調査されたが、4・5・6号墳を除くとすべて多槨式であり、竪穴式・横穴式・横口式の遺構があることが確認された。その中で竪穴式石槨は、長軸比が大きな長方形のいわゆる「加耶古墳」と称されるものである。横穴式と横口式の石室は、正方形に近い平面形態をしており、南側もしくは西側の長壁に片寄って、羨道や狭い入口部を持つ形態である。墳丘は版築状盛土を原則としているが、後に同一墳丘内に埋葬遺構が増設され、多槨式に変化する過程で版築状土層の上から墓壙が掘り込まれていた。遺物の大部分は遺構内部の頭と足の位置から、長頸壺・高坏・器台などの土器と、鉄刀・鉄釘などの鉄器が出土した。以上のような遺構の構造と出土遺物の特徴から考えると、古墳築造期間は四つの時期に分けられ、その年代は5〜6世紀までと判断できるが、熊津期の百済の古墳文化がこの古墳群の築造に影響を与えたものと推定される。

(沈奉謹)

以上、転載

 

*mapは三嘉面良田里