余草里窯跡 よそうりかまあと
余草里窯跡
よそうりかまあと
Yeocho-ri-yoji
韓国・慶尚南道昌寧郡昌寧邑余草里ソムマ村の東南側の丘陵地に、4世紀に築造された三国時代加耶の土器窯跡。1990〜94年にかけ、三つの地区に構築された窯跡のうち、3基を年次的に国立晋州博物館が発掘調査した。窯は山裾傾斜面を横に掘り込んで構築された地下式登窯で、全体的な形態が非常に細長い舟底形を呈している。A地区の窯跡は残存長13m、最大幅が1.6mで、B地区の窯跡は残存長12.2m、最大幅1.9mで大型である。窯跡の天井部の大部分と焚口および煙道部が破壊もしくは流失しており、正確な形状を知ることができない。B地区の窯跡の場合、窯床が焚口から焼成部前半部まではほとんど平坦に続き、中間部から徐々に高くなりつつ煙道部へと繋がっているが、全体の傾斜度は比較的緩慢な方で約11°となっている。燃焼部は床面と側壁の中・下端部が残っているものの、焼成部に比べ遺存状態が良好でない。壁体の調査によると、少なくとも3回以上の補修があったことが確認された。灰原部は窯の前方と左右の広い範囲に堆積し、堆積層が厚くない点から見て、窯の使用時期が長くなかったものと推測されている。窯内部と灰原部から高坏・短頸壺・把手付坏・大甕・広口小壺・火炉形器台・軟質甕・甑などが出土している。余草里窯跡は、4世紀の加耶土器の生産と流通について明らかにすることができる最初の遺跡である。
(朴廣春)
以上、転載
*mapは昌寧郡余草里
