礼安里古墳群 れいあんりこふんぐん

礼安里古墳群
れいあんりこふんぐん
Yean-ri-gobungun

韓国・慶尚南道金海市大東面礼安里に所在する三国時代の古墳群。畑から水田への転換作業時に発見された。国立博物館が1976年に、続いて釜山大学校博物館が80年まで4次にわたる発掘調査を行い、計215基の遺構を検出した。このうち釜山大が発掘した166号円形積石塚は櫛目文土器(新石器)時代の遺構であるが、甕棺墓を含めた残りの古墳は4世紀から7世紀前半までの三国時代に属する。遺構が密集し多数の切り合い関係が見られたため、木槨墓・石棺系石槨墓→竪穴式長方形石槨墓→横口式長方形石槨墓→横口式方形石室墓という墓制の変遷を確認できた。遺構には飛び抜けて大型のものがなく、副葬品には軟質土器・瓦質土器・陶質土器、矛・鏃・鎌・斧などの鉄器、各種玉類・紡錘車があるが、それらも多量ではなく、馬具類がほとんど見られないことから、基層民である農民墓とされる。砂地のため人骨の遺存がよく、釜山大調査では計210体が出土し、うち59体が未成人、151体が成人と識別されている。

(定森秀夫)

以上、転載

 

 

*mapは大東面礼安里