三陵屯墓群 さんりょうとんぼぐん
三陵屯墓群
さんりょうとんぼぐん
Sanlintun-muqun
Samnungteon-mogun
中国・黒龍江省寧安市の牡丹江左岸にある。「三霊墳」とも呼ぶ。1934年に東亜考古学会が1号墓を調査、戦後は黒龍江省文物考古研究所が調査した。渤海王の陵園群で、上京跡の約6㎞北東にある。1〜3号墓を中心に、東西123×南北121mを城壁が囲んでいる。墓室は地下に構築され墳丘は未確認である。1号墓は玄武岩切石積みの横穴式石室である。南に開口する玄室は長4m、幅2.19mで、側壁には漆喰が残り、壁画が描かれたと推測されている。墓道周辺から石製獅子像が出土した。墓室上に瓦葺建物が置かれていた。2号墓は1991年に調査され、15体の人骨と人物や花文を描いた壁画を検出した。1980年代に1〜3号墓の西で城壁に囲まれた4号墓と5号墓を発見した。城壁で区画した3ヵ所の陵園が東西方向に並び、1〜3号墳の区画はその東端に位置する。一連の調査で三彩香炉が出土した。
(小嶋芳孝)
以上、転載
*mapは寧安の上京龍泉府
