七孔橋跡 しちこうきょうあと

七孔橋跡
しちこうきょうあと
Jikonchao-zhi
Chilgongyo-ji

中国・黒龍江省寧安市にある渤海時代の橋脚跡。渤海の都城であった上京龍泉府の西方から北方へ流れる牡丹江には、江西・上官・牛場・下官・勝利といった5ヵ所に橋が架かっていたことを示す石造橋脚基礎部の遺構が確認されている。そのうち上官にある遺構は、上京龍泉府の北約3㎞の地点にあって、7基の橋脚基礎部分が遺存するところから七孔橋と呼ばれている。橋脚基礎部間の中心距離は17mを測るが、いずれも大型の玄武岩を積み上げて築く。橋の全長は約160mで、はるか南方に上京龍泉府を遠望することができる。橋は木橋であったらしい。橋脚基礎部付近から渤海時代の瓦や土器が出土する。七孔橋から西北方、指呼の間に位置する三霊屯に渤海王族の陵墓域があり、七孔橋はそこへの参拝路に関連するものであろう。

(西谷正)

以上、転載