ウスチノフカ遺跡群 うすちのふかいせきぐん
ウスチノフカ遺跡群
うすちのふかいせきぐん
Ustinovka sites
ロシア・沿海州南部ウスチノフカ村郊外、日本海へ注ぐゼルカリナヤ川流域に位置する。この流域は頁岩の産地としても知られ、ウスチノフカ1遺跡(1954年にV.F.ペトルーニにより発見)、ウスチノフカ2遺跡(1980年代にソ連科学アカデミーシベリア支部によって発見)や、ウスチノフカ4遺跡(1980年に極東大学によって発見調査)などがウスチノフカ遺跡群を形成している。ウスチノフカ1遺跡はR.S.ワシリエフスキーらによって継続調査され、2側縁加工ナイフ形石器や剥片尖頭器を含んだ石刃石器群と、ホロカ技法と湧別技法を持つ細石刃石器群が寒冷性土壌撹乱の影響により混在して出土した。一方ウスチノフカ4遺跡は、V.I.ジャーコフらによって調査され、峠下・蘭越・忍路子技法を持つ細石刃石器群と、局部磨製石斧を持つ旧石器から新石器への移行期の石器群が出土している。ウスチノフカ1遺跡の年代は20000〜15000年前と推定され、ウスチノフカⅣ遺跡は10000〜9000年前という年代値が示されている。近年はウスチノフカ3遺跡において日露共同調査も実施されている。
(加藤博文)
以上、転載
