ミヌシンスク盆地 みぬしんすくぼんち
ミヌシンスク盆地
みぬしんすくぼんち
Minusinsk basin
南シベリア、イェニセイ川中流域の盆地。川の西側はハカシア共和国(首都はアバカン)、東側はロシア連邦のクラスノヤルスク地方に属する。平均気温は1月で−15〜 −21℃、7月で17〜 20℃。年降水量は300〜700㎜、7〜8月にその大部分(約70%)が降る。農耕が盛んで、主な作物はコムギである。石炭・鉄・非鉄金属に恵まれている。盆地内には、旧石器時代の遺跡も確認されているが、この盆地を世界的に有名にしたのは、ここに花開いた青銅器文化である。遺跡が集中していたこともあって、シベリアの他の地域に先駆けて調査が進められ、1920年代にテプロウホフが主として盆地内の遺跡に基づいて設定した編年が、広くシベリア、モンゴル、中央アジア北部にまで適用されることになった。その後若干の修正を経て、現在はほぼ次のように編年されているが、各文化間の移行期の年代については異論もある。銅石器時代ーアファナシェヴォ文化(BC3000年紀中葉〜終末)。青銅器時代ーオクネフ文化(BC2000年紀前半)、アンドロノヴォ文化(BC2000年紀中葉〜後半)、カラスク文化(BC2000年紀末〜8世紀)。初期鉄器時代ータガール文化(BC7〜AD1世紀初)、タシュティク文化(BC1世紀末〜AD5世紀)。
(林俊雄)
以上、転載
