家屋文鏡 かおくもんきょう
家屋文鏡
かおくもんきょう
奈良県北葛城郡河合町佐味田宝塚古墳から出土した径22.7㎝の鏡である。内区に4棟の家屋文を配した図柄からこの呼称が生まれた。外区や文様帯は中国鏡を模倣しているが、内区に日本独自の文様を表現した数少ない例である。また、家屋文は当時の貴人宅の様子を知る手がかりともなっている。3棟は入母屋風の屋根を持つ建物で、それぞれ高床住居・低床住居・竪穴住居を表し、他の1棟は高床倉庫のようである。とりわけ高床住居には階段や露台が取りつき、さらに貴人を象徴するきぬがさが差しかけられている。
(藤丸詔八郎)
以上、転載
