環状乳神獣鏡 かんじょうにゅうしんじゅうきょう
環状乳神獣鏡
かんじょうにゅうしんじゅうきょう
主文は口に巨をくわえた側面形の獣の背上に神像が乗った文様を単位文とし、それを紐を中心に環繞式に配置したものである。側面形の獣の肩と腰の部分が環状の乳となっているのでこの名称がある。単位文を3組(三神三獣式)配置したものと、4組(四神四獣式)のものがあり、前者が古式である。外区に画文帯を持つ例が多いが、銘帯を持つ例もある。後漢の元興元年(AD105)銘鏡は三神三獣式で外区に銘帯を持ち、西晋の泰始10年(AD274)銘鏡は四神四獣式で外区に画文帯を持つ。わが国の5〜6世紀の古墳出土例は、画文帯の四神四獣式が多く、また同型鏡が目立っている。
(藤丸詔八郎)
以上、転載
