夔鳳鏡 きほうきょう

夔鳳鏡
きほうきょう

主文はくちばしを合わせて対向する双鳥を単位文とし、それを紐座の四方に配置したものである。周縁には連弧文帯がめぐり、それに渦文を表したものと素文のものがある。文様は平彫りで、鈕座には蝙蝠形と糸巻形と宝珠形の3種があり、鈕座と周縁文の型式が年代の指標となっている。糸巻型紐座の例に後漢元興元年(AD105)の年号鏡があり、後漢の後半代から西晋代にかけて流行した。蝙蝠形鈕座など古式タイプは華北を中心に分布するが、宝珠形鈕座になると華南だけの分布となる。わが国では弥生時代終末期の墳墓や、前期古墳からの出土例がある。

(藤丸詔八郎)

以上、転載