渡具知木綿原遺跡 とぐちもめんばるいせき
渡具知木綿原遺跡
とぐちもめんばるいせき
沖縄県中頭郡読谷村字渡具知に所在し、西海岸の砂丘に立地する。採砂工事に伴って、読谷村教委が1977年(昭和52)に発掘調査を行った。沖縄において初めての箱式石棺墓が12基検出され、伴出土器から弥生時代前期に属するものと見られている。当初は渡来人の墓地と考えられていたが、人骨の形態的特徴などから南島人であることがわかった。石棺は板状や塊状のサンゴ石灰岩を用い、長方形に造られている。また、頭骨や足下にシャコガイを覆い被せた人骨も検出され、マジカル的な意味合いを持つものと解釈されている。石棺墓は中央の広場を囲むように配置され、広場においてはイモガイの集積遺構が検出され、墓地と関係があるものと見られている。遺物は在地の土器が主体をなすが、特徴的なものには弥生土器・ゴホウラ貝輪(立岩型)・石鎌状石器がある。
(岸本義彦)
以上、転載
