土井ヶ浜遺跡 どいがはまいせき
土井ヶ浜遺跡
どいがはまいせき
Doigahama site
山口県下関市(旧豊浦郡)豊北町神田上に所在し、海岸線に直交するように突き出た砂州上に立地する墓地遺跡。縄文時代から近世までの遺物が出土するが、中心となるのは弥生時代前期から中期にかけての墓地である。これまで20次に及ぶ発掘調査が行われ、合計で300体を超える弥生時代の人骨が出土したことで有名である。これらの人骨は石棺墓や配石墓・土壙墓などに、顔を西に向けた形で埋葬されており、抜歯を施された者も多い。抜歯には上顎の側切歯や犬歯を除去したものがあり、その有無や種類によって副葬品の多寡や埋葬地点、施設が異なることから、当時ある程度の階層差が存在したと想定されている。また腕輪などの貝製品を着装した者のほか、鳥が副葬された者や石鏃が打ち込まれた者など特別な埋葬例も存在する。人骨の形質が縄文時代のものとは異なることや、墓地の構造が大陸の影響を受けていることなどから、出土した人骨は弥生時代になって新しく大陸から渡来してきた人びとの子孫のものと考えられている。
(山田康弘)
以上、転載
目の前の響灘を見ていると、この人骨たちが海の向こうの故郷を見ているのかと、やはり思えてしまいます。
中国山東省で出土している、周から前漢時代の人骨との類似が言われていて興味深いです。
この人たちはどこから、なぜ、はるばるこの地へ。なぜ皆、西をむいて?
響灘周辺は古代の謎が満載で、本当に面白いです。
