アプリコソバヤ寺院跡 あぷりこそばやじいんあと
アプリコソバヤ寺院跡
あぷりこそばやじいんあと
Abrikosovayasite
ロシア・沿海州地方のスラビャン区クロウノフカ村西南、チャピゴウ河中流域に所在する渤海時代の寺院跡。近隣には同じく渤海時代のコピト寺院跡がある。遺跡は、石材を積み上げた外周137mの不等辺四角形の囲墻が築かれ、中央やや西よりで建築基壇が検出された。なお、囲墻の上部にはもともと木柵が設けられていたようである。1960年の調査では、囲墻から寺廟に通じる門楼が発見されていない。寺廟は一辺約8.5mの正方形の人工的に築成された基壇上に建築されており、西北方に面している。出土遺物には鉄釘などの鉄器のほか土器・陶磁器・渤海東京城跡から出土したものに類似した小型の仏像、蓮弁の瓦当など瓦片、それに鴟尾が見られる。特に瓦は、コピト寺院跡とは異なり8種の瓦が確認されている。本遺跡は、8世紀に比定されるコピト寺院跡の出土遺物との比較などから、9世紀に機能したことが推測される。なお、本寺院跡西斜面などには、寺院跡との関連が想定される墓葬が発見されている。
(高橋学而)
以上、転載
*mapのピンはクロウノフカ村
