アファナシェヴォ文化 あふぁなしぇぶぉぶんか
アファナシェヴォ文化
あふぁなしぇぶぉぶんか
Afanas’evo culture
ロシア・南シベリア、エニセイ川中流域とアルタイ山地に広がる、BC3000年紀中葉〜終末の銅石器文化。狩猟を伴う牧畜が主体の時期とされ、それを反映してか残された土器を除いて遺物は少ない。古墳群は2〜15基程度で構成され、遺物の規模は小さい。墳丘はわずかで周囲に板石積みの石囲いを施す場合と、単に配石だけにとどめる場合とがあり、中央に方形・長円形の墓壙が1〜3基営まれている。1・2個の土器が足元と、まれに頭近くに置かれている。土器は体部のふくらむ卵形尖底または丸底の深鉢で、櫛歯状やヘラ状施文具による押捺文や沈線で器面全体が埋められる。金属製品は少なく銅製の針・錐・小ナイフ薄い片、線状・小板状の装身具、木製容器の縁金具がある。ほかに石斧・石鏃・骨針・骨釘・尖頭形骨器などがある。アファナシェヴォ人は、形質からユーロぺオイドとされているが、起源や系統など明らかでない。近年アルタイ山地で、中国国境の友誼峰の北麓や周辺の洞穴遺跡から包含層の発見が相次ぎ、確実ではないが隣接のトゥーヴァ、モンゴル高原西部、新疆への広がりが有力視されるなど、起源・系統を考える上で新たな課題が生まれている。
(藤川繁彦)
以上、転載
