安仁里遺跡 あんじんりいせき

安仁里遺跡
あんじんりいせき
Anin-ri-yujeok

韓国・江原道江陵市江東面安仁里に所在する原三国(三韓)時代の集落遺跡。海岸線近くの砂丘地帯に立地する。1989・90年に江陵大学校・江原大学校・関東大学校などによって2次にわたる発掘調査が行われ、住居跡40軒が検出された。住居跡は平面呂字形のものと凸字形のものがあり、前者は楕円形の粘土帯をめぐらした炉跡を持つのに対し、後者の炉跡はコ字形に石を立てて、その上に板石を載せる形態である。出土土器についても、前者は硬質無文土器が主体を占めるのに対し、後者は硬質無文土器よりも硬質叩き目文土器が主体を占めている。前者は後者より先行する時期のものと推定されている。また、2号住居跡からは灰黒色土器の小型壺が出土しているが、これらは楽浪系漢式土器であり、この地域と漢の郡県との関連を示す遺物として注目される。土器以外の出土遺物としては、鉄刀子・鉄鎌・石斧・砥石・紡錘車などが見られる。

(高久健二)

以上、転載

 

*mapは安仁里