敖東城 ごうとうじょう
敖東城
ごうとうじょう
Aotong-cheng Odongseong
中国・吉林省延辺朝鮮族自治州敦化市にある渤海から金代の平地城。北流する牡丹江の左岸に接して立地している。1938年(昭和13)に山本守が、57年に吉林省の文物関係機関が合同で、さらに58年に単慶麟が踏査している。外城壁は東西400×南北200mで、内城壁は一辺80mと報告されている。外城南壁に甕城の痕跡が残る。山本は外城壁に雉(馬面)の存在を報告している。現在は耕地化が進んで城壁は削平され、基底部がわずかに残っている。城内から出土した靺鞨甕を根拠に渤海建国時の旧国に比定されたが、二重の壁や馬面・甕城などの構造から、遼・金時代の造営とする説が有力となっている。城内から白磁・陶質土器・瓦などが出土した。
(小嶋芳孝)
以上、転載
