アウラガ遺跡 あうらがいせき

アウラガ遺跡
あうらがいせき
Avrage site

モンゴル・ヘンティ県デリゲルハーン郡のアラシャン・オハ山の南麓に所在する。南北500m、東西1200mの範囲に建物跡が見られる。その配置は、一辺30mの方形大型基壇(第1建物)を中心にして、小型建物群が左右に延びる。出土品には在地陶器のほかに、鈞窯・磁州窯系・龍泉窯などの中国陶磁、金代の銅銭「大定通宝」、鉄製品などがある。12世紀末から13世紀初頭を中心に、15世紀後半まで機能していたことがわかる。遺跡周辺の景観と文献史料の対比から、ここがモンゴル帝国初代皇帝チンギス・カンの拠点「大オルド」であったことが判明した。第1建物はその宮殿で、一辺17mほどの方形プランのテント状の上屋があった。彼の死後に改築され、モンゴル皇帝の即位式や祭祀の場として使用された。東西の建物群には一般住居と鉄工房があった。遺跡名のアウラガにはモンゴル語で後方支援基地の意味がある。

(白石典之)

以上、転載