バンチェン遺跡 ばんちぇんいせき
バンチェン遺跡
ばんちぇんいせき
Ban Chiang site
タイ東北、ウドンタニ県ノンハン郡チェン村にある集落と墓地の遺跡。タイの初期金属器文化を世界に知らしめた学史に残る遺跡である。1957年にタイ芸術局が発見・試掘、67年タイ芸術局の第1次発掘、72・73年芸術局が発掘した。74・75年C.ゴーマンとピシット・チャルーンウオンを代表とし、ペンシルヴァニア大学と芸術局が発掘し、伸展葬の土壙墓が多数出土した。前期には黒色刻文土器を、中期にはスリップがけし、一部に赤い彩色のある刻文土器を、後期には赤色彩文土器を副葬した。中期・後期には青銅斧や腕輪を副葬した。また上層部では骨壺が出土している。当初、出土した彩文土器の熱ルミネッセンス測定年代BC4420~3400年により世界最古の彩文土器、また伴出した青銅斧も世界最古とされ、有名になった。現在では当初の年代は否定され、新石器時代後期のBC2100年ころから居住が始まり、BC1000年ころに青銅器を、BC500年ころから鉄器をつくるようになったこと、バンチェン彩文土器はBC300年以降であることが明らかとなった。
(新田栄治)
以上、転載
