盤亀台遺跡 ばんきだいいせき
盤亀台遺跡
ばんきだいいせき
Bangudae-yujeok
韓国・慶尚南道蔚州郡彦陽面大谷里に位置し、蔚山湾に注太和江上流に当たる盤亀台の岩刻画遺跡。1972年に発見され、東国大学校が77年まで4次にわたって調査した。現在、ダムの西岸に面した岸壁の北面で、東西の長さ8m、高さ2.1mの範囲に多数の動物などが彫刻されている。すなわち、シカ科・ネコ科・イノシシ・ウシ?・ウサギ・イヌ科などの陸生動物88例、鯨類・鰭脚類・カメ・魚類などの水生動物75例、人物8例、船・網・柵などの狩猟・漁労図10例、鳥類1例、そのほか9例の合計191例が確認されている。そのうち鯨類に関していえば、シャチ・ゴンドウクジラなどのハクジラ類だけでなく、セミクジラ・コククジラなどのヒゲクジラ類のような大型鯨類の網付銛による捕獲が中心であったことをうかがわせる。彫刻は、主として敲打による全面もしくは線の彫啄技法によるが、写実的なものから図式的なものまで混在する。背面・腹面・側面観を描いたり、歪曲遠近法や重複描写・レントゲン様式などの種々の表現が見られる。おそらく無文土器(青銅器)時代文化の所産と考えられるが、異なる時期のものがわずかながら含まれている可能性もある。
(西谷正)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
鰭
キ、はた、ひれ
