凡魚里遺跡 ぼんぎょりいせき
凡魚里遺跡
ぼんぎょりいせき
Beomeo-ri-yujeok
韓国・慶尚南道梁山市勿禁面凡魚里1106・1107番地一帯に所在する、統一新羅時代の7〜8世紀の製鉄遺跡。標高20mの緩やかな丘陵斜面に沿って、製鉄作業と関連する24基の竪穴遺構と同時代の井戸が2ヵ所、採掘した鉄鉱石を破砕・選鉱した施設と推定される敷石溝状遺構3基が調査された。その中で精錬炉と推定される竪穴遺構は密集度によって2群に分けられるものの、その性格はほぼ同じである。遺構からは稲藁のような植物性繊維が混入した粘土塊とともに製鉄関連遺物が出土しており、精錬炉施設であることがわかる。そして、東南側外郭に位置する14号円形竪穴遺構は、内部に貝殻が詰まっており、その下部の床面には焼成痕が認められることから、精錬炉で鉄生産する際に、溶剤として使用される炭酸カルシウムを得るために貝殻を焼成した遺構であると判断された。敷石遺構は、相対的に低い谷状低地に沿って西側斜面に長く造成されており、床面には栗石をぎっしりと敷き、その上部を多量の割石で覆ったものであるが、そこからさまざまな大きさの磁鉄鉱石が出土した。
(朴廣春)
以上、転載
