普門洞夫婦塚 ふもんどうめおとづか
普門洞夫婦塚
ふもんどうめおとづか
Bomun-dong-bubu-chong
韓国・慶尚北道慶州市普門洞に所在する。慶州盆地東方にそびえ立つ明活山西麓の丘陵地帯に分布する普門洞古墳群中の北の一群に属し、丘陵中腹に立地する6世紀後半の三国時代新羅の瓢形墳。1916年(大正5)今西龍によって発掘調査された。普門洞古墳群には、積石木槨墳と横穴式石室墳が混在しているが、本墳では同一墳丘内から、積石木槨墓と横穴式石室墓各1基が検出された。ともに長袖を北西〜南東にとる。積石木槨墳が丘陵上に占地するのは慶州では例が少ない。横穴式石室は平面形長方形の片袖式である。副葬品は積石木槨より金銅冠・金製耳飾・銀製釧・銅製釧・銀製指輪・玉類・環頭大刀・馬具・新羅土器など、横穴式石室より金製耳飾・銀製釧・玉類・新羅土器などが出土している。被葬者は積石木槨が男性、横穴式石室が女性であり夫婦であったと推定され、各墓は夫墓・婦墓と呼ばれる。婦墓より出土した金製太環式耳飾は、太環部に細線粒金細工で亀甲花文を施すなどして、新羅金製耳飾中で最も華麗なものの一つである。慶州地域における積石木槨墳より横穴式石室墳への変遷過程を研究する上で欠くことのできない重要な古墳である。
(藤井和夫)
以上、転載
*mapは普門洞のエリア
