不老洞古墳群 ふろうどうこふんぐん
不老洞古墳群
ふろうどうこふんぐん
Bullo-dong-gobungun
韓国・大邱広域市東区不老洞に所在する。大邱盆地の東北端にある低い丘陵に形成されている。200余基からなる、5世紀後半を中心とする古墳群である。1938年(昭和13)に斎藤忠らにより2基(解顔1・2号墳)が、63・64年には慶北大学校によって2基(甲・乙号墳)が発掘調査された。解顔1号墳は、古墳群中もっとも大きな墳丘を持つ双円墳である。東西62m、南北28m、高さ約7mを測る。隔壁を持つ主・副槨式の竪穴式石槨で、副槨から土器および金銅雲珠などが出土した。解顔2号墳は直径21m、高さ4mの円墳であり、主・副槨を備えた竪穴式石槨が1基確認された。主槨からは鎹が37点出土しており、木槨を使用したものと判断される。出土遺物には土器および鉄器がある。甲号墳は墳丘が完全に流失していたが、割石を積み上げた竪穴式石槨1基が確認された。両小口に土器および鉄鏃などの遺物が副葬されていた。乙号墳も墳丘がほとんど残っていなかったが、割石積みの竪穴式石槨1基が確認された。出土遺物には土器・銀張心葉形杏葉・轡がある。甲号墳は長さ4.5m、幅0.7m、高さ1m、乙号墳は長さ4.8m、幅0.95mを測る。行政区域上は大邱に位置するが、『三国史記』によると章山郡に属するため、別の政治勢力であったと見る見解と、大邱地域の集落中心古墳群の一つと見る見解とがある。
(朴天秀・井上主税)
以上、転載
*辞典の解説文から漢字ピックアップ
鎹
かすがい
