遼寧式銅剣 りょうねいしきどうけん 中国・遼寧省を中心に分布する銅剣。剣身と柄部を別々に鋳造する別鋳式である。典型的な例は剣身部中ほどに突起を持ち、突起から下が緩やかに湾曲して茎に至る。新段階に至ると、この剣身部が直線化 […]

靫 ゆぎ 矢を入れて背負う古墳時代の武具。実物資料のほか、靫形埴輪や装飾古墳の文様などからもその形状を推察することができる。鏃を上に向けて収めるのが特徴で、鏃を下に向け、右腰に装着する胡籙と合わせ、盛矢具と呼ばれる。矢を […]

銅矛 どうほこ 長柄の突き刺す武器（刺兵）のうち、袋状の着柄部に柄を挿入する形態のものを矛と呼ぶ。銅製の矛は中国では殷代から見られ、袋部の両側に耳を持つ。朝鮮半島の銅矛は中国のものと形態が異なる。袋部から続く脊を持ち、脊 […]

銅鏃 どうぞく 銅鏃は中国では殷代に出現する。この時期のものは逆刺しを持つ有翼、有茎鏃である。戦国時代〜漢代にかけては、三角鏃・三翼鏃が流行する。殷代の古い型式の銅鏃は、中国東北部を経て朝鮮半島に至っている。遼寧式銅剣文 […]

桃氏剣 とうしけん 春秋・戦国時代の中国系青銅剣の通称。『周礼考工記』に「桃氏剣を為る」とあるのに基づく。中原式銅剣・中国式銅剣とも称する。剣身部と柄を同時に作る一鋳式である。中国以外にも若干の出土例がある。韓国の例では […]

銅剣 どうけん 東アジアの銅製短剣は、柄部と刃部を同時に鋳造する有柄式と、別々に鋳造して、組合わせる有茎式に分けられる。前者は中央アジアで盛行するオルドス式青銅器や、中国の春秋・戦国時代に盛行するいわゆる桃氏剣である。後 […]

銅戈 どうか 戈は柄に直交する刃を持ち、相手に引っ掛けたり、打ち込んだりして、引き倒す武器。銅製の戈は中国で殷代に出現し、前漢時代頃まで継続する。西周時代以降は柄に接続する部分（胡）が発達して長くなり、柄に装着するために […]

弩 ど 弓の一種。「いしゆみ」「おおゆみ」ともいう。弓の中央に腕木となる臂をつけ、臂の手元側に発射装置の機を取りつけたもので、臂上面に彫り込まれた凹槽に矢を挿入して発射する。『史記』などの記述から、古代中国の春秋時代にす […]

蛇行鉄剣 だこうてっけん 当初から身部に3〜6ヵ所の屈曲点を有することを意図して製作された古墳時代の特異な鉄剣。蛇行剣と呼ぶことが多い。鋒を含めた先端部の主軸と、関から茎にかけての主軸はほぼ直線に並ぶ。身部に木目が残存し […]

触角式銅剣 しょっかくしきどうけん 把頭飾部分が、双環状をなす柄を持つ銅剣。柄の部分が昆虫の触角に似ていることによる名称である。中国東北部・朝鮮半島・北部九州に分布するが、中国東北部では、遼寧式銅剣よりさらに北方の吉林・ […]

胡禄・胡籙 ころく 矢を入れる容器としての武具には、靫と胡禄の2種類がある。普通、靫は鏃を上に向けて比較的大形の矢筒に入れて背中に背負うもので、歩兵用の武具であるのに対して、胡禄は鏃を下に向けて比較的小形の矢筒に入れ腰に […]

戟 げき 古代中国における武器の一種で、一般的に青銅製である。戈と矛の機能を合わせて優れた機能を持つ。戈を身に、矛を刺とした新たな武器の最古の例は、河北省藁城台西遺跡の商墓からの出土品で、戈と矛を柲に結びつけている。西周 […]

挂甲 けいこう 小札縅の手法による甲で可動性に富む。胴丸式と裲襠式の2種がある。東アジアでの挂甲の源流は定かではないが、高句麗では重装騎兵用の武装として、いわゆる蒙古鉢形冑とともに3世紀には用いられている。5世紀代には朝 […]

草摺 くさずり 腰から大腿部を防御する甲冑の付属具。古墳時代中期に入って用いられた鉄製の草摺は、幅4〜5㎝、長さ1m前後の帯状の鉄板を湾曲させ、裾開きになるよう順次数段を縅の手法により連結することで可動性を得る。また、小 […]

漢式鏃 かんしきぞく 中国における銅鏃は殷代に始まるが、当初は扁平な有翼鏃であった。戦国時代後期に断面三角形の三角鏃や、円柱形の芯部に3枚の翼をつけた三翼鏃が出現し、秦・漢時代に広く普及した。この三角系統の鏃を漢式鏃と呼 […]