麻 あさ クワ科の大麻やイラクサ科の苧麻（カラムシ）・アカソ・亜麻・黄麻などの総称、またはその繊維。大麻は一年草、苧麻は多年草で、狭義の麻は大麻をいう。大麻の繊維は丈夫で、弾性・耐水性に富み、衣類以外にも網・綱・帆布・蚊 […]

粟 あわ イネ科エノコログサ属（Setaria）。一年草の穀類でモチ性とウルチ性のものがある。インド原産で古代中国では、殷代以来禾と呼んだ。黄河流域の畑作地帯（黄土地帯）に展開する磁山・裴李崗文化の遺跡で、実際に食用の穀 […]

類須恵器 るいすえき 祝部式土器、須恵器あるいはカムイヤキとも称される灰色の硬質土器。奄美諸島以南の沖縄諸島や先島諸島など約190ヵ所から出土する。グスク遺跡では陶磁器に先行して登場する。出自についてはカムイヤキ窯跡発見 […]

焼締 やきしめ 特定の素材のもとでの陶磁器の焼成状況をいう用語で、粘土を成形した器を乾燥させ、高火度の窯で堅く焼き締めることをいう。技術用語的には釉薬の有無を問わないが、日本ではふつう焼締陶と同義に使う。日本での陶磁器の […]

分銅形土製品 ふんどうがたどせいひん 弥生時代中期〜後期の土版状土製品。天秤の上に載せて重さを量る分銅によく似た形であることから「分銅形土製品」と命名された。10㎝内外のものが多いが、15㎝前後から5㎝前後のものである。 […]

土偶 どぐう 一般に、縄文時代の遺跡から出土する素焼きの女性像を指す。縄文時代の土偶の起源は、後期旧石器時代の骨・角・牙・石などを材料にして作った女性像の伝統を引くものと考えられる。日本最古の土偶は、縄文時代早期の茨城県 […]

甑 そう tseng 蒸し器として用いられる鉢形の器で、底部に蒸気を通す孔が開けられている。鬲や釜などの煮炊器の上に載せて用いる。新石器時代前半に当たる黄河中流域の仰韶文化に、鉢形の土器の底部に数個の孔を穿った簡単なもの […]

土面 どめん 粘土で作り、素焼きにした仮面。東日本の縄文時代後期中頃から晩期の遺跡よりまれに発掘される。後期から晩期初頭の土面は眼孔と口孔が貫通している。両目の外側に紐を通す小孔もあり、顔にかぶるように作られている。晩期 […]

珠洲焼 すずやき 石川県能登半島の先端、珠洲市南西部および鳳珠郡能登町（旧珠洲郡内浦町）を中心に分布する中世の須恵器系土器窯の製品。戦後の珠洲郷土研究会による分布調査に基づいて、1961年（昭和36）以降、石川考古学研究 […]

彩画陶 さいがとう 中国・河南省および陝西省を中心に分布する副葬陶器の一種で、春秋〜戦国時代に始まり、漢代に入ってから他地域へも広がる。天然に産出する顔料を使用して、焼成した陶器の表面に装飾文様を描く。洛陽中州路からの出 […]

土版 どばん 関東・東北地方を中心に、東日本の縄文時代晩期の遺跡から発見される。楕円形もしくは長方形の素焼き板状製品で、表裏に文様がある。長辺約17㎝から約4㎝、厚さは約2㎝から約0.5㎝と大きさは種々である。上部に1な […]

糸切底 いときりぞこ 粘土塊から製品や部材を切り離す際の手法の一つ。回転台や轆轤の上で挽上げ成形された器を取り上げる場合に、撚糸などを使うと切り離した面にその痕跡が残る。轆轤の回転力を利用する回転糸切と、轆轤を止めて行う […]

虎子 こし トラなどの動物の形をした土器。酒や水を入れて使用する注器と、男性用の小便器の二つの見解があるが、構造や出土状況、そして漢墓から出土した画像石の絵から小便器の可能性が高い。最も古いものは、中国江蘇省鎮江諫壁王家 […]

黒陶 こくとう 一般に器表面に炭素を吸着させて黒色にした土器を指すが、器表面に黒色スリップを施したものも含まれる。前者には表面だけ黒く胎土は灰色のものと、胎土内部まで黒くなったものとがある。炭素吸着の方法には、密閉した窯 […]

觚 こ ku 中国古代の飲酒用の器。全体が円筒状を呈し、口縁の開いたコップ形の器をいう。『説文解字』の定義では3升入るコップを觚と称するというが、宋代以来、もっぱら二里岡期から西周時代前期にかけて作られた青銅製の圏足のつ […]