巴形銅器 ともえがたどうき 巴形銅器は、弥生時代後期に現れた青銅器の一つで、古墳時代前期初頭までに一旦衰退し、古墳時代前期後半に異なった形状をもって再度出現する。形状は、内部に紐を持った扁平形・半球形・截頭円錐形・円錐形 […]

銅鉇 どうやりがんな 小さな竹木の小細工に使用する工具。細長い身部の先端を研いで刃部を形成する。横断面が丸みを帯びたものと背に稜を持つものがあり、鋒から基部までの身幅が同じものと鋒側が幅広いものとがある。地域・時代によっ […]

銅鍑 どうふく 漢代の銅鍑は、扁球形の胴部に幅広の鍔をめぐらせたもので、釜とも呼ばれる。竃の上で煮沸容器として使用され、しばしば甑とともに用いられたが、地域ごとに用途や器形が異なる。楽浪地域では石巌里9号墳などのような漢 […]

銅斧 どうふ 中国東北部青銅器文化では、遼寧式銅剣とともに扇形銅斧が盛行する。朝鮮半島にも、遼寧式銅剣文化期に扇形銅斧が流入している。これらの銅斧は袋部を持ち、着柄部に斜格子文をはじめとした文様を鋳出したものが多い。細形 […]

銅刀子 どうとうす 青銅製のナイフ。中国北方青銅器文化では、獣頭柄で内反りの刃を持つものが特徴的に盛行する。中国では殷代に見られ、環頭や鈴頭の柄を持つ。中国東北部では、青銅器文化の初期に殷系統の刀子が流入しており、撫順望 […]

鉄鍑 てつふく 煮沸に用いる鉄製容器であり、釜とも呼ばれるが、時代・地域によって形態は様々である。楽浪地域では黄海南道殷栗郡雲城里7・8号墳や、黄海北道黄州郡順天里上洞などで高台を持つ深鉢形の鉄鍑が出土している。原三国（ […]

銅釦 どうこう 「銅泡」とも呼ばれる。中国北方青銅器文化にすでに見られ、中国東北部から朝鮮半島に及ぶ。半球形を呈し、凹部に紐がある。元来は衣服などに装着した装身具である。朝鮮半島では青銅器文化の初期から末期まで見られる。 […]

壺 こ hu 「壺」の字は容器に蓋をした象形である。蓋つきの下ぶくらみの青銅器の銘文に「壺」字を書いた自銘器が見られるので、このような形状の容器が古代から壺と呼ばれていたことが明らかである。転じて中国古代の容器のうち、口 […]

盉 か ho 壺形・罐形の器身に、把手（鋬）と注口（流）、下方に三足または四足がつく形態の器。『説文解字』では調味用の器というが、一般的には温めた酒を注ぎ入れる酒器の一種と考えられている。新石器時代後期に土器盉が登場し、 […]

匜 い i もともとの定義は把手と注口のついた器で、水を注ぐ用途があるという。新石器時代の土器中の把手と注口のついた器を匜と呼ぶこともあるが、一般的には西周時代後期以降に出現した、浅くて楕円形の器身、断面U字形の大きな注 […]

鉄刃銅鉞 てつじんどうえつ 青銅製鉞の刃部に鉄が使用されているもので、中国・河北省藁城県台西村や、北京市劉河村遺跡から出土している。いずれも商代の埋葬施設である。鉄刃は分析の結果、隕鉄が使用されたことが明らかになっている […]

鋳造鉄斧 ちゅうぞうてっぷ 鋳型に銑鉄（鋳鉄）を流し込んで作った斧であり、一般的には袋状斧（銎斧）である。古代中国で、青銅斧の製作技術を受けて生産が始まり、戦国時代前期には確実に出現し、同後期に質・量的な生産の安定化を迎 […]

尊 そん 中国古代の酒を入れる容器。開いた口に丸い胴、下に張った台からなる器形に特徴がある。基本的には円尊・方尊・鳥獣尊の3型式がある。円尊はさらに有肩・筒型・瓶形の3型式に細分される。方尊も有肩と筒型の2種がある。鳥獣 […]

小銅鐸 しょうどうたく 小型の銅鐸を指す「小銅鐸」という用語は、現在、①朝鮮半島で出土する鐸形銅製品（朝鮮式銅鐸とも）、②朝鮮式小銅鐸の系譜を引く列島産品、③畿内地方を中心に列島で独自に発達した「銅鐸」の小型模倣品の少な […]

七支刀 しちしとう 奈良県天理市の石上神宮に古くから伝えられてきた鉄剣。全長約75㎝の剣身の両側に三つずつの枝刃を交互に造り出した特異な形態をなす。剣身の表・裏両面には、それぞれ34文字と27文字、合計61文字が金象嵌を […]