角抵塚 かくていづか

角抵塚
かくていづか
Chiaotimu
Gakjeochong

中国・吉林省集安市にある三国時代高句麗の壁画古墳。1935年に池内宏らが調査した。鴨緑江右岸の禹山山麓に立地し、禹山下古墳群を構成する。1966年に行われた吉林省文物考古研究所と集安市博物館による測量調査に際し、禹山457号墓と呼称された。角抵塚と石室構造や壁画の題材が共通し、北西側に隣接して舞踊塚(禹山458号墓)が並存する。一辺約15m、高さ約4mの方形封土墳には南向きの複室構造を持つ横穴式石室が築かれ、全長約4.6mを測る。壁画は石室の側壁と隅三角持送り式天井に漆喰を塗った上に、ほぼ全面にわたって描かれる。壁画の主題は、玄室四壁に描かれた建物の内部と墓主の肖像画を含む生活風俗図であるが、特に東壁に描かれた角抵(相撲)図は特徴的で、この古墳の名称もここからきている。また天井部には、日象・月象・星宿図や唐草文が描かれる。舞踊塚で見られる四神図はここでは見られない。4世紀末ないし5世紀初めごろの築造である。

(西谷正)

以上、転載