大安里古墳群 だいあんりこふんぐん

大安里古墳群
だいあんりこふんぐん
Daean-ri-gobungun

韓国・全羅南道羅州市潘南面大安里一帯に所在する三国時代の古墳群。谷井済一らが1917・18年(大正6・7)に3群に分かれる11基の古墳を確認し、8・9号墳を調査した。1978年に崔夢龍が4号墳、97年に全南大学校博物館が1〜3号墳、2000年に木浦大学校博物館が10号墳を調査した。最大の墳丘を持つ9号墳は、東西44.3m、南北34.9m、高8.4mを測る方形の墳丘を持ち、周溝の痕跡を残す。墳丘上面で東西ないし南北に主軸を向けた専用甕棺墓9基が発見された。未報告のため出土遺物の詳細は不明であるが、各棺からは玉類や土器が確認されたほか、己棺からは胡籙金具と思われる金銅板金具が、庚棺からは直弧文が刻まれた鹿角装刀子が出土したことが知られている。8号墳では4基の甕棺が発見された。4号墳は、板石を直立して玄室断面を方形に造った横穴式石室を埋葬施設とする。長頸壺・軟質鉢、鞘が魚鱗文で装飾された刀子・鐶座金具・棺釘などが出土した。

(吉井秀夫)

以上、転載