大汶口文化 だいぶんこうぶんか
大汶口文化
だいぶんこうぶんか
Dawenkou wenhua
中国・黄河下流域に展開する新石器文化。1959年に発掘された山東省泰安県大汶口遺跡から命名された。C14によればBC4300〜2500年頃に当たる。山東省を中心に分布し、江蘇省北部や安徽省北部・河南省東部にも見られる。アワ作を中心とする農耕社会で、ブタ・イヌ・ウシ・ニワトリなどの家畜もいた。土器には夾砂紅陶や泥質紅陶・灰陶・黒陶などがあり、白陶も少数ある。器形には觚形杯・鼎・鏤孔圏足豆・背壺、実足・空足鬹、高柄杯・大口尊などがある。生産工具には石鏟・穿孔石斧・石鑿・石杵などともに、貝製・骨製の鎌などがある。中期以後になると、玉製品や象牙製品、トルコ石を象眼した骨製品などがあり、手工業の発達が見てとれる。墓地が数多く発掘されており、前期では二次葬墓が山東省兗州王因遺跡で発見されているが、中期以後は単人仰臥伸展葬の土壙墓が主体となる。一部に合葬墓もある。中・後期では木槨を作る墓もあり、副葬品の内容などに格差が見られ、階層社会へ入っていたと考えられている。人骨には抜歯習俗が見られる。山東龍山文化へと続く。
(渡辺芳郎)
以上、転載
*辞典解説文から漢字ピックアップ
觚
コ、かど、さかずき
鬹
キ
意味:陶器の一種。注ぎ手と取っ手のある三盆足の蒸し器。
鏟
サン
意味:木や石を平に削る道具。かんな。土を削り取る道具。シャベル。
鑿
サク、うが(つ)、のみ
兗州
エンシュウ
