西洋銅版転写磁器 せいようどうばんてんしゃじき

西洋銅版転写磁器
せいようどうばんてんしゃじき

ヨーロッパ産の銅版転写磁器は、19世紀初頭から半ばにかけて盛んに生産されたもので、ヨーロッパの銅版画の技術を陶磁器の装飾に用いたものである。イギリスでは18世紀後半に生まれた装飾技法である。皿の見込みや碗の胴部に描かれた、いわゆる「西洋風」なモチーフが日本人に好まれ、幕末から明治時代にかけて多量に輸入された。日本で出土する銅版転写磁器は、イギリスとオランダ産のものが主体である。鎖国期に西欧との窓口であった出島の発掘調査や、長崎市内の近世遺跡で多数出土している。また少量ではあるが、日本各地の近世遺跡からも出土している。

(古賀朋緒)

以上、転載