ドイティン・バルガス遺跡 どいてぃん・ばるがすいせき
ドイティン・バルガス遺跡
どいてぃん・ばるがすいせき
Doityn-balgas site
モンゴル・アルハンガイ県ホトント郡ドイト山頂に所在する。20×10mの方形建物基壇が15基、南に開く「コ」字状に配置され、その中心に60×50mの方形で、南側に張り出しを持つ高さ1.5mの大型基壇がある。大型基壇上には花崗岩製の柱礎石が残る。それらは宋尺(1尺=31.6㎝)を用い、一辺が130尺となるように配置されていた。これはカラコルム遺跡の万安宮と考えられてきた建物とまったく同じである。上屋には、万安宮のような屋根瓦は用いられず、替わりに青釉タイルが出土しているので、イスラム風建築が想定されている。出土品には13〜14世紀の中国製陶磁器・在地系陶器がある。文献史料の記述から見て、モンゴル帝国第2代ウゲデイ(オゴダイ)によって築かれた春の離宮「掃隣城迦(伽)竪茶寒殿」(『元史』)、またの名を「ケン・チャガン」(『集史』)に比定できる。
(白石典之)
以上、転載
*mapはホトント郡
